2019観戦記

観戦記!大阪ダービー19シーズン第12節

大阪ダービー。この言葉を聞いた時、セレッソ大阪とガンバ大阪のサポーターであれば「特別神聖な真剣勝負」という感情を抱く。客観的には単なるリーグ戦の1つの試合であるが、大阪ダービーは別格だ。

なぜ、別格の試合なのか。それはセレッソとガンバのホームタウンに理由がある。セレッソとガンバのホームタウンは市町村レベルでは異なるが、忘れてはいけないことがある。

それは共に「大阪府」のクラブであること。つまり、大阪ダービーは大阪府でもっとも強いクラブを決める戦いといえる。

セレッソとガンバのホームタウン
  • セレッソは大阪市、堺市。
  • ガンバは吹田市、茨木市、高槻市、豊中市、池田市、摂津市、箕面市。

リーグでの現在の成績、胸の星の数、過去の対戦成績。両クラブの強さを比較する方法は沢山ある。

でも、サポーターが最も願い、最も意識することは違う。サポーターの想いは今負けないこと。応援するクラブが今、1番強くあること。

それに加えて大阪ダービーには無条件で大阪府で1番強いのは私たちだ!という感情も加わる。

応援するクラブの負けは許されないという当たり前の感情に加え、大阪府で2番目のクラブなんてありえない。そんな感情が大阪ダービーをより神聖な真剣勝負の別格な舞台へと豹変させる。

サッカーには次のような価値観がある。

「勝ったほうが強い」

この考え方はワールドカップやチャンピオンズリーグなど、サッカーにはトーナメント戦、つまりノックアウト形式の戦いがあることが影響している。ブラジルが歴史的に最も強いと言っても、ワールドカップで敗退すればその時点では1番強いとは言えない。大阪ダービーも同じである。現時点においては勝ったほうが強いのだ。

サポーターはクラブの歴史を誇りに今の強さを求めるもの。過去7年間セレッソはガンバに勝っていない。それはガンバの誇りであるが、今の瞬間は別で勝つことを強く求める。今、大阪府で最も強いことを証明しないといけない。今にこだわるのは、セレッソも同じだ。目の前で大阪府のクラブに負けることは許されない。

そんな大阪府最強決定戦である大阪ダービーが行われた。その観戦記!キックオフです。

大阪ダービーの序盤はトーナメント戦のように慎重に進む

序盤から両チーム共に慎重に試合を進める。慎重というのは、攻撃している時点で相手のカウンター攻撃を意識するということ。人数をかけて攻撃すれば攻撃の厚みは増すが、ボールを奪われた時にカウンターを決められるリスクが増す。そのカウンターに備えた、守備を意識した攻撃が繰り広げられていた。

その様子はまるでトーナメント戦の戦い方。負けが許されない試合では、まず失点しないこと、先制点を許さないことが優先される。そんな展開が私たちサポーターにも神聖さと緊張感をもたらす。

先制点を許すとゲームプランが当然難しくなる。同点に追いつこうとすれば攻撃に人数をかける必要があり、ボールを奪われた時の守備が苦しくなる。点を取りにいくというのは失点のリスクを負うことに直結する。

そのため、両チームは守備を意識しながら攻撃し、何とか得点できないものかと試行錯誤することになる。この戦いぶりはサッカーとしては熱いものではないが、視点を変えれば1点の重みを表現した真剣勝負と感じさせられる。

50分までは、そんな慎重な戦いが繰り広げられた。サッカーファンから見れば消極的な試合だったかもしれない。しかし、サポーターから見れば息を飲む戦いが進んでいた。

50分、セレッソのソウザ投入でゲームが動く

そんな慎重な戦いの中、50分にセレッソのベンチが動く。高木に変えてソウザを投入。監督は高木がイエローカードをもらっていたから、とか、清武の近くでソウザをプレーさせたかったという説明をしていたが私は別の点で納得していた。

私は高木のプレーは悪くはないが、球離れが悪いと感じていた。セレッソの攻撃リズムの中で高木はボールの保持時間が長くリズムに乗れていなかった。選手間の距離に問題があったかもしれない。

慎重な試合の中では攻撃に人数をかけられないため一瞬のプレーが必要となる。人数をかけずにゴールを奪うには速いリズムでボールを回し、相手の守備のわずかな隙間をねらう必要がある。

高木はドリブラーである。個の力で相手を崩せば数的有利となり大きな効果があるが、この試合においては個の力を発揮する機会もなく、ドリブラーの良さが裏目に出ていた可能性もある。

そこでソウザを投入した。ソウザの持ち味はミドルシュート、サイドチェンジ、キープ力がある。ミドルシュートを意識すれば相手はゴール前で待ち構える守備は出来ず、守備の前後の密度は減る。ボールキープやサイドチェンジを行えば丸橋や松田のオーバーラップを活かすことができる。その点で私はソウザもありだなと思った。

ソウザ投入でゲームは大きく動く。ソウザはセレッソではボランチを本職とするが2列目に投入された。2列目にソウザ。今思えば真剣勝負でのバクチだったかもしれない。若干トリッキーな選手交代だった。結果論であるがソウザ投入がこの試合の全てだった。

ソウザ投入がはまればセレッソの攻撃は幅が増えチャンスが増えたかもしれないし、ミドルシュートのこぼれ球をブルーノが押し込んだかもしれない。攻撃のリズムが変わり、相手の守備のバランスを狂わせたかもしれない。

しかし、バランスを崩したのはセレッソだった。ソウザがゲームに溶け込む間もないソウザ投入から5分後、ガンバが先制した。隙間を突くパスと倉田の個の力でセレッソからゴールを奪った。流れるトラップから右のアウトにかけてニアを突くシュートテクニックは敵ながらアッパレだった。

2列目の選手を代えるということは、ベンチからの攻めろという意思表示。この交代によりセレッソがボールを支配し、セレッソの時間となれば良かったのだが裏目に出た。セレッソはバクチに失敗したのだ。交代直後の守備力が低下した一瞬を突かれた。

でも、この采配が悪いとは思わない。慎重な試合、どこがで変化をもたらさないといけない。先に動いたセレッソには均衡したゲームを打破しようとする、勝とうとする姿勢と勇気があった。

無情にもゲームはそのまま終了

先制されてから両チーム共に大阪ダービーらしい采配を見せる。ダービーの重みを知る、ダービーでも力を発揮できる選手を投入した。ガンバは遠藤、今野、セレッソは柿谷だ。各クラブの象徴といえる選手を投入、これぞプライドをかけた闘い。

柿谷が久しぶりに前線の中央でプレーしていて期待した。しかし、躍動しなかった。柿谷が躍動するには感性の合うパートナーが必要だが最適なパートナーがいないのがセレッソの現状。

柿谷は、はまれば驚異的な能力を発揮するが、いかんせん難しい。感性が独特で使いにくい。今のセレッソでは操縦できるパートナーがおらず孤立する傾向がある。

柿谷は悪くないがパートナーが未だに見つかっていない。良くいえば、合わせにくい天才。悪くいえば操縦の難しいトリッキーな選手。この点がいつか柿谷は爆発するとサポーターに期待させるのだが、今は難しいとダービーで確信した。

とにかく、両クラブのベンチワークはダービーらしいなと思った。総力を上げた戦いだと思えた。しかし、ゲームはそのままガンバが1-0で勝利した。終盤にもっとゲームが動くと思ったが、ホームガンバのサポーターの支え、ガンバのプライドがセレッソの得点を許さなかった。

大阪ダービーの感想

ダービーは勝った方が強い。どうであれセレッソは負けたのだから今の瞬間では大阪府で2番目。悔しければ次のダービーで勝てばいい。それだけのことであるが、負けの悔しさは重くのしかかる。次勝つまでは大阪府で2番目。言い訳はできない。

遠藤、今野をスタメンから外したガンバは、このダービーが若手の成長を促したと思う。勝利が若手に自信とプライドをうえつけた。

セレッソはこのダービーを機に何を得ただろうか。ただ残念、悔しいで終わらしてはいけない。一瞬の怖さ、流れを掴む工夫、流れを変える全体の意思疎通。巧みに試合をコントロールする方法を見出してほしい。

いつも、ダービーを見て同じことを思う。ガンバという強いライバルが居て良かったと。ずっとセレッソは勝てておらず悔しさを与え続ける相手で憎いが、ダービーという一戦がリーグにあることでよりセレッソ愛が深まるのは確かで、ダービーを見るたびにサッカーのとりこになる。J2の時、ダービーが無いことを悲しがる自分もいた。

間違いなく大阪府にクラブが2つあることに感謝しなければならない。そして、ダービーをやるためにも両クラブはJ1に居続ける必要がある。欲をいえば、ダービーで勝った方がJ1優勝!そんな熱い時代が来ることを願っている。

勝手に選手評価のコーナー

セレッソマンが記憶と直感を頼りに選手を勝手に評価するコーナーです。この試合、セレッソで最も活躍した選手は「ヨニッチ選手」でした。(あくまで個人的な評価ですよ!)

選手名 評価 寸評
1ジンヒョン そつなくプレーもミスキックあり
2松田 攻撃への貢献足りず
3木本 そつなくプレー
14丸橋 ボールに絡むも物足りない
22ヨニッチ 高い守備力は健在
5藤田 そつなくプレーも変化を与えられず
7水沼 いつものキレなく能力発揮できず
10清武 ポジショニングなど工夫あったがチャンスを演出できず
25奧埜 効果的な攻撃参加できず
13高木 ゲームのリズムに乗り切れず
20ブルーノ 孤立し能力発揮できず
11ソウザ 本調子でなく能力発揮できず
32田中 ゲームの流れ変えられず
8柿谷 ゲームの流れ変えられず
監督ロティーナ ソウザ投入が裏目に

 

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セレッソ大阪応援ブロガー。もっとサッカーをセレッソ大阪を楽しむために情報発信中。更新情報はTwitterとLINEでお届け中。

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